闘ツールボックスデッキ解説
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闘タイプは、最強の遺伝子で一定の実用性を示しましたが、複数の課題によってメタゲームのトップには到達できませんでした。しかし、幻のいる島の登場により、ポケモンexに依存しない新しい戦略が可能になりました。このデッキの中心となるのは、新たに登場したマーシャドーです。マーシャドーは、リベンジ攻撃によって、相手の攻撃で自分のポケモンが倒された後に非常に高いダメージを与えることができます。この戦略により、マーシャドーはピカチュウexを一撃で倒せる能力を持ちつつ、わずか1ポイントで済む点で非常に優れています。
さらに、最強の遺伝子から再評価されているサワムラーは、ギャラドスexがメタゲームで注目される中で復権を果たしています。サワムラーは、進化やエネルギーを必要とせずに、ベンチにいるコイキングを一撃で倒す唯一のポケモンです。また、クリムガンやファイアーexなど、場でスタール戦略を取るポケモンに対しても効果的です。
この結果、闘ツールボックスは、多様なカードと組み合わせやすい汎用的なエンジンとなりました。エネルギー効率の良いポケモンを中心に構成され、低コストながらメタゲームで大きな影響を与えるデッキとして注目されています。
「時空の激闘」では、サワムラーの能力とアカギの組み合わせによって、相手のベンチポケモンを強制的に場にポケモンに引きずり出す戦略が可能になりました。これは、クリムガンのような入れ替えが鍵となるデッキに対して特に有効です。
ジバコイル+闘ツールボックス
「最強の遺伝子」のレアコイルが持つボルトチャージの能力は大きな利点となります。この能力を活用することで、デッキに雷エネルギーを採用する必要がなくなり、ジバコイルはたった1エネルギーで110ダメージを与えることができます。これにより、闘タイプデッキが抱えていた「終盤戦での火力不足」を大きく改善できるのです。
さらに、ジバコイルの優れた点は「1ポイントポケモンの役割を維持できること」にあります。闘タイプのポケモンは基本的に40ダメージ前後の攻撃しか持たず、リベンジ最大火力でも100ダメージにとどまります。ジバコイルはこれを補うことで、デッキの後半戦でも安定した火力を確保できます。
また、ジバコイルはエネルギーの負担を最小限に抑えながら活躍できるため、デッキ全体の立ち回りにも大きな影響を与えます。エネルギーを温存しつつ、状況に応じてアクティブポケモンを入れ替えながら戦える点は、闘タイプデッキの柔軟性をさらに高める要素となるでしょう。
マーシャドーデッキ
闘ツールボックスは、序盤から低コストでプレッシャーをかけられるポケモンと、後半の強力な脅威に対応できるポケモンを組み合わせる戦略に基づいています。以下は人気の選択肢です。
- カモネギ:進化不要で単一のエネルギーで40ダメージを与えるシンプルなポケモン。基本ポケモンの中で最高のダメージ効率を誇り、どのデッキにも採用可能。
- ミュウex:強力なポケモンへの対抗策として、ゲノムハックを使用。特定のエネルギーを必要とせず、相手の攻撃をそのまま跳ね返す能力を持つ。
- ケンタロス(幻のいる島):進化ポケモンexのような高耐久の相手に対処するための優れた選択肢。単一ポイントのポケモンとして、価値の高いターゲットと有利なトレードが可能。
闘ツールボックスデッキの弱点
闘ツールボックスのポケモンは、序盤戦ではその耐久力と低コストの攻撃で優れたパフォーマンスを発揮します。しかし、ゲームが進行し、相手が強力なボードを構築すると、これらのポケモンの耐久力は不足し、一撃で倒されるリスクが高まります。また、進化ポケモンexのような高HPの脅威に対しては対応が困難です。
マーシャドーのリベンジは、発動には条件があり、相手にポイントを譲る必要があります。そのため、相手が耐久力のあるポケモンを準備してリベンジを回避する可能性もあります。また、リベンジは直接攻撃によるダメージにのみ反応するため、毒やゲッコウガの「みずしゅりけん」、クリムガンの「さめはだ」のような間接的な戦術には無力です。
闘ツールボックスデッキのまとめ
闘ツールボックスデッキは、幻のいる島で追加された新カードにより、これまで課題だったピカチュウexやコイキングなどの強力な脅威に対処できる可能性を広げました。特にマーシャドーのリベンジやサワムラーの汎用性の高いスナイプ能力がデッキの鍵となります。また、エネルギー効率の良いポケモンを組み込むことで、序盤からのプレッシャーを維持しつつ、後半の強力なポケモンに対処する戦略を可能にしています。
しかしながら、序盤以降の耐久力や特定のメタゲーム戦略への対応に課題が残ります。それでも、その汎用性と効率性から、さまざまなデッキに柔軟に組み込める魅力的な選択肢であることは間違いありません。